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6.192020
画像で見るクラークスのソール交換(ナチュラルなクレープ編)
いつもページを見て頂いているお客様、ありがとうございます。
山の手緋色舘の西野です。
さて、本日はクラークスのソール交換について。
今までも散々ご紹介して来ましたが、緋色舘のメイン修理なので改めてまとめを行います。最近思うことはコロナ以降、いろいろな事が不確実性の時代に入ったのかなということです。
なにをしようとしても明白な答えのない問いの中で生きていくのはある種の忍耐が必要ですね。
待望されるのは過去の日常への復帰なのか、大きな変化なのか・・・
そういう意味ではここらで自らの原点に立ち戻ってみるのも必要なのかもしれません。今回は二回にわたってクラークスの修理を特集致します。
一回目の今回は天然クレープ編
次回はvibramソールを使用したカスタム編です。
基本の天然クレープ ハイブリッド仕上げ
ワラビーです。
修理に使う天然クレープはクラークスで使用されているものよりも柔らかく、力のかかる部分は摩耗する前に「圧縮」が起きやすい。
ですのでこのハイブリッド仕上げがヒール部分の安定感を上げ、長持ちさせるという特徴があります。
パドモア&バーンズですね。1960年代~20年間ほど、このファクトリーがクラークスの製靴に尽力していたと聞いています。いわばワラビーの元祖ともいえる存在。このデザインはクラークス名義でも作られていますが、貴重なモデル。
純英国製のデザートブーツ。
緋色舘では一番オーダーの多いタイプと言えます。ワラビーはマッケイ式機械縫いですが、それ以外のクラークス製品は全て手縫い縫製致します。他店で上からコバの縫い目がはっきり写されている画像がクラークスの修理例ではほとんど見られませんね。画像検索してみてください。
縫い目が整然と並んでいないということは、ステッチダウン製法では靴の寿命や履き心地の再現性など、修理の根幹にかかわることなので、おろそかにはできません。
上:英国のロックバンド オアシスのリアム・ギャラガーが主宰する「プリティーグリーン」とのコラボモデル
下:ブランド不明ですがクラークスと同様の製法で作られたデザートブーツ。
二足ともグッドイヤー的な機械縫いが施されていて、純正クラークスよりピッチが細かいですね。これも細かく手縫いすることで成形します。
モデル名はわかりませんが、これもクラークス。
ヒール部分に特徴があり、革をサンドイッチするように出来ています。ミッドソールの革と、このヒールに挟んだ革が平行に走らないと、おかしくなるので、成形にはさらに手間がかかります。
ハイブリッドのゴムを付ける前の状態。
縫い目がうっすらと見えていると思いますが、革とクレープは縫わないと止まりません。接着出来るのはクレープ+クレープの部分のみなので、ヒール部分も全て縫い留めを行います。
ダブルステッチのクラークス
コバは黒インク(クレープダイ)仕上げ。完璧とは思いませんが、自分が出来たらいいなと思う形に持っていけるのは手縫いしかありません。ウェッジ仕様ならではのボリューム感もあって重厚な仕上げとなります。
コバ セパレート仕上げ。ミッドソールのみに色を入れた英国風の仕上げです。使用する糸の色も店頭に来ていただければ見本をお見せしながら決めていけます。宅配の場合は同じ系統の色もしくは一番フィットする色をチョイスしてご提案します。
デザートトレックです。こちらも人気が高いですね。
最後はラガー
これはワラビーと構築過程は似ていますがソールの雰囲気はトレックに近いと思います。
以上、今回はクラークスの代表的なモデルを中心に画像で見て頂きました。やはりクラークスはこのクレープだからこその履き心地というか雰囲気もあると思います。休日靴としてのリラクシンはこのクレープだからこそという方にはオススメ致します。
オーダーは時間的余裕のある時にお申込みくださいませ。通常の靴修理に比べて時間が掛かるという点はご了承ください。
勝手を申しますが宜しくお願い致します。
それでは次回はvibramソールによるカスタム編です!