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10.192018
画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.3(筒ブーツの再構築と乗馬ブーツのお手入れ)
こんにちは!
緋色舘の西野です。
10月も下旬ということで秋らしくなってきましたね。
ということで本日は乗馬ブーツの特集の最終回。
筒ブーツのオーバーホール
ファスナーの無い筒型ブーツ(ボックス型ブーツ)は脱ぎ履きにも力が掛かるので、
大概はヘビーデューティーに製作されているのが常です。
それだけに壊れにくいわけですが、一度不具合が出てしまうと修理にはファスナー付きに比べ時間(と費用)がかかります。
筒を開いてから修理にかかり、最終的にはまた閉じて元通りにしなければならない(当たり前ですが・・・^^;)
そういうことで必然、オーバーホールのような大手術となることが多いです。
筒の内側の穴が開きやすい部分。
修理がしてあるのですが、上から革をあてて塞いだ感じでなんともパッチワーク的になってしまっています。
内側のライニングも擦り切れてダメージがあるので、ライニングと本体を一度分けて修理開始となります。
以前に革あてされているパーツを全て取り除くと本体が露出しました。
ライニングは乗馬ブーツにとって命のようなもの。
これと本体の穴などのダメージはさらに別々に直して組みなおしていきます。
組み上がったライニング部分(筒の中)前と後全てダメージを取っています。
本体の修理後外観
不自然だったものがスッキリしましたね。両足を同じデザインで革あて修理しています。
フロント部分もこのような感じでダメージを革あてしています。
筒ブーツ修理ご利用のお客様は「時間がかかる」ということを念頭においてお問い合わせくださいませ。
筒ブーツのオーバーホール 20,000円~
乗馬ブーツの基本お手入れ
お持ちになられたお客様はこの白い点々は「カビ」でしょうか?
と、おっしゃいましたが、少し違うようです。
手入れをするときはまずステインリムーバーで泥などの汚れを落とします。
次に使用するのはデリケートクリーム
ハンドクリームを塗るように手で本体に直接擦り込むように塗っていくと上手くいきます。
あとは柔らかいウエスでからぶきをします。
これが基本。
これも白い点々が見えるとおもいます。
グラウンドの土や泥が跳ねて固まってしまうとこのように見えるのです。
まず、ブラッシングなどでブーツの「中も外も」ホコリや泥を落とします。(馬毛ブラシを使うといいです)
ソールにも当然泥がつきやすいのでブラッシングで落とします。
1.まずは清潔に保つこと
2.汚れを落としてからデリケートクリームを使う
3.黒の靴クリームを使う
こんな感じで仕上げます。
これはエルメスのジョッパーブーツです。ショート丈にモデファイされていますが、元々は乗馬ブーツが起源なわけです。
もちろん革質も最高なわけですが、本日取り上げているブーツも言ってみれば同じです。
価格的に見ても乗馬ブーツは安いものではありません。
大概は上質なタンニンなめしの革を使用して作られています。
こうした革は中にオイル分が眠った状態になっているので余分なオイルを上から与えてはなりません。
ただブラッシングしてウエスでからぶきを繰り返していくだけでオイル分が下から上がってくるわけです。
なのでデリケートクリームでケアするのはそのケアを「円滑に進めていくための補助」とお考えください。
ケア前
ファスナー付きブーツはこのように筒を開いてひざの上にのせてブラッシングするとやりやすいです。
ブラッシングと汚れ落とし(ステインリムーバー)後
デリケートクリームでケア→擦りこんでからからぶき→黒の靴クリームでケア→ブラッシング
最後に防水のために少量のWAXを使用
ケア用品はM.モゥブレイやサフィールなどの出来る限り高品質なものを使いましょう。
革自体が高品質なものなのでB級品を使っては効果が薄いというだけでなく、時間もかかってしまいます。
また、色落ちしたブーツをカラーリングする業者もあると聞いていますが、これも良くないですね。
革本来の強さや持ち味を全て殺してしまいかねません。
定期的な手入れは革の健康状態を保つための必須のものであると同時に、ブーツを長持ちさせる意味があります。
必ず使用する方がご自分で行ってください。
故障箇所の早期発見=安全な騎乗を意味するので、これを人任せにしてはいけません。
緋色舘でもアドバイスは行いますが、修理なしの手入れだけというのは受け付けておりません。
ウチで修理の最後にきっちりとしたお手入れを行うのは、
このような状態でブーツを維持して欲しいという想いをこめて行っているだけです。
足を守るためのブーツですから、愛着を持って大切に使用しましょう。
では本日は以上です!
画像で見る乗馬ブーツ再生への道 Part.3(筒ブーツの再構築と乗馬ブーツのお手入れ)でした!
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