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3.152018
乗馬ブーツの革あて修理とパーツ製作
こんにちは!
緋色舘の西野です。
しばらく諸事情もあり、ブログの更新も出来ませんでした。いつも見ていてくださる方には
大変申し訳なく思います。
今後は可能なかぎり記事を書いていきたいと(まあ週一とかは絶対無理ですが^^;)
考えておりますので、よろしくお願いいたします。m(_ _)mスマン
さて、一気に季節も春になって暖かくなってきましたね。
本日は「乗馬ブーツの革あて修理」です。
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足首のバックサイド、ファスナー部分の革ギレ
屈伸部分でよく起こるケースです。
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ファスナー交換も同時に行っております。ブーツの革の屈伸に逆らわないよう、あて革を固定します。
薄い革だと弱くなる、厚いと屈曲を阻害するということになってしまうので、「ちょうどいい」を出すのがちょっと難しいですね。
こちらは大学の馬術部さんからご依頼のあった「手綱」のバックル革の修理。
通常のベルトとは違って、バックル金具に付いているループ部分も縫いこんである特殊な縫製ですね。
バックルを交換して3mm近い厚みの丈夫な革で付け根革を製作しています。
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つづいて乗馬ブーツフロント部分の足首に開いた穴
修理中。。。
甲側と筒側にパーツが分かれている部分なので、まずこれを外して分けます。上から一気に革をあてて縫うと屈曲に影響
して長持ちしません。
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内側からポリエステルの薄い裏打ちをしてから革あてをして縫製します。
革あての方法には様々なものがありまして、このような屈曲部分には厚みを革包丁で微調整する形で凹凸があまりでないようにします。
デニーロブーツに特有のスライダーフック。
ファスナーのスライダーが運動中に下がらないようにするものです。
最近のデニーロブーツではこのようなゴムで出来ているものがありますね。
この部分は使っていたら必ず壊れる、いわば「消耗品」のようなパーツです。
緋色舘ではこの部分の交換にはスペアパーツを別途作っておいて(つまり左右2本づつ作る)お客様にお渡ししています。
このスペアパーツがあればいざ壊れたときもスピーディーに近くの修理店などで交換出来るわけです。
当然一対はこのように本体に縫込みます。厚みのある頑丈な革で壊れにくいようにフックの形も少し変えてあります。
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これはブーツではなくチャップス(足のレガース風カバー)に開いた穴です。
写真が悪くてなにがなんだかわからない画像ですが、まず穴を革チップで埋めてからその上に革をさらにあてます。
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出来上がりはこんな感じで、穴だけでなく、その周りが放射状にダメージを受けていますので、大きめに革あてします。
これは屈曲に関係しない部分なので革のコバを漉くことなく、あてています。
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最後に定番の筒の革あて修理。
内腿の部分ですが、ファスナーおよびそのカバーである「細革」に干渉しないよう、本体に縫い付けるようにします。
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これで次に消耗品であるファスナーが壊れても、この革に関係なく取り替えが効きます。
もしもライニング(内張り)の上からこの革あて修理をしてしまうと、次の修理のときが困ります。
乗馬ブーツは互換性のある部分を間違った方法をとらず、正確に修理してお手入れをしていけば、
長持ちしていきます。
では本日は以上です!
乗馬ブーツの革あて修理とパーツ製作でした!
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