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BLOG
2.152017
Dr.マーチン・ブーツのファスナー取り付け
こんにちは。
緋色舘の西野です。
今年の冬は寒いですね・・・。
2月13、14、15となんだか夜は大きな満月で日本は関係ないみたいですが、星まわりでは月食のようですね。
そろそろ多少暖かくなってもいいとは思いますが、まだまだ二月中旬。
一応春物などの修理も入っておりますが、もう少しブーツが手放せませんね。
ということで本日はDr.マーチンを中心として脱ぎにくい、履きにくい、でも履きたい!レースアップブーツなどに
ファスナーを取り付けてみる、という修理のご紹介。
まあ、何度か取り上げていますがお問い合わせも多く、今回が総集編ということで。
定番のメタルファスナー比翼仕立て。
マーチンの特徴的なデザインのひとつであるトリプルステッチの切り替えし部分にファスナーの根元を
食い込ませた形。
ファスナーの切り込みラインは緩やかなカーブで、位置は筒の中心より若干前寄り。
定番の緋色舘スタイルです。
ファスナーは着脱時に開閉を何度も繰り返すので強さを考慮してこのスタイルになっています。
比翼仕立てはファスナーを閉めるとファスナーの目が閉じる形なので、マーチンには最も人気のあるスタイルです。
さて、この画像(およびオーダー)東京のスタイリストさんより頂いたものです。
「このラインでカットしてもらえませんか?」
ということで勿論可能。ストレートカット比翼仕立て。
ジッパーはYKK NO.8のナイロン製。
これがファスナーを装着してカンヌキ留めを入れたところ。
ここから縫製をしていきます。
一本目のミシン目でファスナーを固定します。
白ボディに黒ファスナーははちょっと70’sテイストになりました。
二本目のステッチで風防という革も固定。今回は黒にDr.マーチンのカラーであるイエローステッチを挿してみました。
ソールおよびブーツタグには全て黄色の縫い線が入っていますね。それに合わせた形です。
8ホールのチェリーレッド
これもナイロンファスナーのストレートカット。
この色は足元が引き立ちますね。マーチンはシューレースにひと工夫される方も多い感じです。
靴のデザインは完全にシンプルなので遊びが効いてくるってとこでしょうか。
ド迫力の20ホールレースアップ。
バイクブーツとしてお使いということで、内側への取り付けはスライダーが車体にキズを入れる可能性もあり、
外側への取り付けのご依頼でした。ボトムスは当然パンツインなので、ハードな使用が予想されますね、スライダーカバーも取り付けることに。
ガンメタル色のファスナーでハードボイルドな雰囲気が出ました!
バイカーといえば僕などはケネス・アンガーのショートフィルムなどを思い出してしまいますね。(めちゃめちゃアングラな話ですみません^^;)
若い時はそういうのが好きだった・・いや、今でも少しは・・かな(笑
と、いうことでもうひとつバイクブーツ。
こちらはマーチンではなくエンジニアタイプのブーツです。
ベルテッド仕様なのでどう付けるかちょっと思案しましたがこういうカットラインでファスナーの根元をベルトに食い込ませる形に。
仕上がりはこんな形。
ベルトおよび本体の筒も一度持ち上げてファスナーを取り付けます。
地味に時間が掛かったのは筒上部の巻き込みライン。一度全部巻き込みを解いてカットしてもう一度全部元に戻します。
マーチンなどに比べてエンジニアはファスナーは短くても、縫う量が2~3倍になるので、通常2~3回に分けて作業しますが
この時は意地になって6~7時間ぶっ通しで仕上げました。(笑
よくお問い合わせでこの手のベルトの部分の処理がカット(切断や位置替え)になりますよ、とお伝えしても、
イメージがご理解頂けないことがあります。
無理もないことですが、極力イメージを変えないようファスナーの通り道を作りますので、その場合は根気よくご相談ください。
お次はレディースの筒型ブーツ。
これも上部にベルトが通っている仕様ですので全開しようとすると、ベルトをカットするしかありません。
このベルト仕様は折り返してこのようにも2wayで使えるということで
最終的に全開にせず、窓開けの形に。
あくまでもお客様とのコミニュケーションでカットラインを決めていきます。
どのようにしたいのか、どう使いたいのかをお教えいただければ幸いです。
レディースのトリッカーズ・カントリー筒ブーツです。
チヨコレートは上部ベルテッド仕様。
ライトブラウンはブーツタグ(着脱時に引っ張る耳つき)のあるペコス仕様。
ベルトは切断で全開。耳は片方を取ってしまいました。
いづれも内側の筒中心部への取り付けです。
革も厚いので窓開けより思い切って全開の方が履きやすいですね。
ファスナーはブライトゴールドメタル。シルバーでもいいと思いますが若干枯れた感じになるので
トリッカーズのイメージだとこちらが正解かと。
ちょっとファスナー取り付けとは違いますがロングの筒ブーツはカットも出来ます。
まあ、全部が全部可能というわけではないのでご相談いただきましたらお好みの長さに調整可能です。
最後に素晴らしい靴作りをされている「そのみつ」さんのブーツ。
よい靴の条件は全て満たされているブーツと言っても過言ではありませんね。
そのみつさんがよく使われているソールは斬新なvibram#9105(←ココ注目)
特殊な切り込みが入っていて屈曲性がいい、足なじみも抜群なんです。
Vi-liteというゴムとスポンジの中間的な素材で作られています。
当店でもこのソールイチオシです!
クラークスにも良いですよ。(上記写真はお客様からお預かりした「ドロミテ」の参考写真)
さて、本日は以上、Dr.マーチンを中心としたブーツへのファスナー取り付けでした!