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5.272016
WAXを使って黒靴をお手入れ!
こんにちは!
山の手緋色舘の西野です。
まだ5月だというのに真夏日が続いたり、今年は猛暑になるんでしょうか?
いやですねえ・・・
暑いのは苦手です。早く秋になってほしい。(ぉい)
ということで本日は梅雨を横目で睨みながらのビジネスシーンで欠かせない
黒靴のお手入れヒント!です。
●●缶入りWAXを使ってお手入れ●●
缶入りのWAXといえばkiwiが有名ですね。愛用者も多いと思います。
本日は仏製のサフィール(青缶)を使ってみましょう。
天然のシアバターが入ったノアール(黒缶)もありますが、使用感だけでなく「保革」面も強化した
配合になっています。
主原料のひとつはカルナバロウというロウ成分で「油性」とも言われます。
日本ではこれがいわゆる「靴墨」と呼ばれるものですね。
WAXは「ポリッシュ」というふうにも呼ばれ、靴を磨くためのアイテムとしての代表格です。
乳化製クリームだけでも十分靴は磨けますが、つま先のキャップ部分とヒール側のカウンター部分
にWAXを乗せてプロテクト効果を出すことでキズ、スレや雨、汚れなどから靴を守ることが出来るのです。
これからの雨の季節に靴を傷めてしまうのは惜しいですね。
ぜひWAXを活用してスマートな足元でお仕事に打ち込んでください!
さて、今回使うアイテムたちです。
ステインリムーバー(汚れ落とし)
デリケートクリーム(保革)
サフィールWAX(プロテクト、ツヤ出し)
ペネレイトブラシ(クリーム、WAXを靴に塗るハケ)
ブリストルブラシ(豚毛ブラシ、ブラッシング用)
上の5つが必要なもの
以下はあったら便利
リムーバークロス
ポリッシングコットン
いわゆる「ウエス」ですが、Tシャツの端切れなどでも可。
リムーバークロスはステインリムーバーを付けて汚れを落とす布ですが、古いクリームの残留物や
汚れを取るのに最適の布で、ステインリムーバーの効果を100%発揮させる優れものです。
そしてもうひとつ。
上の画像にはありませんが、シュートリー(シューキーパー)ですね。
別にウッドでなくてもなんでもいいです。これはあったほうがお手入れはかなり捗ります。
まずはリムーバーで靴の表面全体を丁寧に(やさしく)ふきとります。
画像では右足のキャップ部分にキズのようなものが見えますが、これはスレですね。
キズまではいっていない歩行時にすこし当たってる部分です。
こうした部分にもWAXを乗せて目立たなく、これ以上当たってもスレが起こりにくくさせることが出来ます。
まずは保革ありき
リムーバーで拭いたら、デリケートクリームを使います。
保革の意味で使うので、まずは乾いているなと感じたら少し多めに使いましょう。
このようにペネレイトブラシを使って靴全体に塗りこみます。
次にブリストルブラシでブラッシング。
通常のカラークリームに使う時より小刻みにブラシを動かしてクリームを浸透させる手助けをします。
コツとしてはブラシの毛先を細かく動かして、クリームを革に押し込むようなイメージです。
「ビン入り」カラークリームを乗せた後に大きいストロークでシャッ!シャッ!
とやるより歯磨きの力加減で細かくブラシの重みだけを靴に加えてブラッシングする要領です。
デリケートクリームは柔らかく、水分含有量も多いので、浸透させることに意味があります。
ここポイント!靴の上にブラシの乗せて・・・その重み以上に力を加えないよう、大きく振らずに、
小刻みのストロークで全体にデリケートクリームを行き渡らせます。
次に余分なクリームをふき取るわけですが、このときもクリームを革の表面に押し込むような感覚で入れていってください。
デリケートクリームを使う主眼は「保革」ですので、隅々まで使って、WAXを受け入れる準備をします。
WAXをペネレイトブラシで塗る
隅々までデリケートクリームが行き渡ったら、革の表面がツルツルしてきます。
この時点でスキンケア的なお手入れはほぼ達成しているので、あとはWAXを使ってプロテクト効果
とツヤを与えます。「サフィール(青缶)」の中にはビーズワックスも含まれているので、
さらに保革効果も期待できます。
「だったら乳化製クリームって特に要らないんじゃないの」
と、思われるかもしれませんが、乳化性クリームはクリームの内部にカラークリームの染め粉や水分が入っていて、浸透圧が
ありますが、WAXは皮革の表面に膜を張るようにカルナバロウが乗りますので、効果の現れ方が少し違う
わけです。カラーの乳化性クリームでまずケアをして、最後にWAXでツヤを与えるという役割分担が今のシューケアでは
一般的な方法といわれています。
ただ、乳化性的なWAXもあり、WAX的な乳化性クリームもあるので、両者をまったくの別物みたいに思う必要はありません。
1)汚れ落とし~ 2)保革~ 3)プロテクト~
と、靴に必要なお手入れの理論的な工程を実践できればどんな方法でもいいわけで、自分がやりやすいやり方で
できればそれが一番良い方法ともいえます。
ペネレイトブラシでワックスをトゥとヒールのカウンター部分に少し多い目に塗ります。
キズが入りやすい部分でもあり、ワックスが効果を発揮するメイン部分でもあります。
ひととおり塗ったら3~5分ほど放置してWAX内の溶剤を揮発させて飛ばします。
乾いてきたらウエスで靴の表面をなでるようにツヤを出します。
WAXが伸びてツヤが出てきているのがわかると思います。そのままついでにコバまわりやキャップより上
の部分にもなでるようにWAXをまわします。(最初のようにベタ塗りはしない)
光らせたい部分にこのとき一、二滴の水を使ってWAXを伸ばせばよりツヤが出ます。
これを執拗に繰り返すと鏡面化するのでハイシャインポリッシュと呼ばれます。
今回は鏡面化が目的ではないので、防水力が出て、WAX特有の自然な光沢がでれば終わりです。
仕上げに汚れていないきれいな面の布でなでるように仕上げていくと完成!
ビジネスシーンでは「足元を見られる」という言葉」がありますが、これくらいの自然な光沢が
最も好感度高いと思います。鏡面化磨きはつま先をエナメルのように磨いてしまうわけですが、
あくまでパーティー用ですね。
ちなみに当店ではこのアクリルタワシを磨きの最後の仕上げに使ってます。
仙台の友人が特別に作ってくれたもので、大変重宝しています。
他にもパンストやフリース、ネルの切れ端なども仕上げには有効ですので皆さんも一度お試しください。
では本日の緋色舘の記事は以上!
油性WAXの有効な使い方指南でした!梅雨の季節に役立てていただけたら幸いです。
お手入れされた靴はやはり気持ちのいいものです。