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BLOG
6.102015
サイドゴア・ブーツのパネルゴム交換
こんにちは!
西野です。
ムシムシする梅雨の季節真っ只中ですが、本日はブーツの話題(笑)
ですが、考えてみれば季節はずれで使わない時こそが
実は修理には良い時期でもあるのです。
とりあえず使わずに眠らせているこの期間、
次のシーズンにサッと出して使えるよう
備えておくのもいいでしょう。
定番の黒のサイドゴア・ブーツプラダです。
両足でこのパネルゴムが合計4枚付いているのが基本的な形ですね。
60年代にビートルズが履いていたりしてロック/モッズ的、
英国的なアイテムとしても人気です。
シューレースが付属しない靴といえば代表格はローファーですが、
このサイドゴア・ブーツも紐ではなくゴム布製のパネルで足を支えてます。
このパネルゴムが長年靴を履きこんでいくと伸びてきてフィット感が
悪くなることがあります。
ゴムを全部抜き取った靴。
なんだか抜け殻のように見えますね。
ゴムを抜いた画像を見るといかにこの部分がブーツの
存在感をもたらしているかが良くわかります。
パネルを新しく取り付けているところです。
サイドゴア・ブーツは上述いたしましたようにゴムの面積と役割が靴のデザイン
と機能に大きく影響しますので、その交換作業も高い正確性が要求されます。
ですので、交換作業前に、お客様とゴムの張りの強さのお好みなどについても
打ち合わせをさせていただいております。
あまり張りが強すぎると脱ぎ履きがシビアになりますし、
かといって緩いとフィット感が悪いので、落としどころとしては
伸びた分を差し引いて元の状態に復元するというところでしょうか。
さてさて
取り付けたパネルを縫製して完成。
ゴムを支える縫製も通常のレースアップ・ブーツよりも
細かいですので手間とテクニックのいる作業です。
次はもうひとつ、よりデザイン性の高いタイプ
茶のサイドゴア・ブーツ。
パネル面が大きいですね。
こちらのゴム布をはずすと・・・
こんな感じ。
面白い形です。
後ろ半分は全てゴム布で構成されています。
くるぶし部分から上に向かって立体的にテーパードしていますので、
やはり片足につき2枚のゴムをつなぎ合わせて作ってあります。
取り出したゴムはこんな感じ。
まずは200mmのパネルゴムを作った型紙から切り出して、
新しく縫い合わせ、靴の後方にはめ込めるようにパーツを形作ります。
こちらを靴にはめ込んで縫製すれば完成。
修理前の画像と比べていただければ、
足首部分のシェイプがくっきり出ていると思います。
全体的なフィット感も上がり、靴そのものの履き心地も良くなりますので、
ゴムの伸びてしまったサイドゴア・ブーツをお持ちの方は修理をご検討ください。
では本日は以上です!
サイドゴア・ブーツのパネルゴム交換についてでした!