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BLOG
3.162015
クラークスのデザートブーツ合成クレープでのソール交換Part.4
こんにちは!
西野です。
先週までは異様に寒い日があったりしましたが、
いよいよ暖かくなってくる気配がありますね。
さて、本日もクラークスのソール交換についてです。
かなり頻繁にお問い合わせを頂いておりますので、
今日はソール交換の素材のひとつのチョイスとして、
合成クレープでの交換を取り上げます。
合成クレープでのオールソール
クラークスのソール交換は簡単にひとまとめしますと・・・
1)ナチュラル・クレープ
2)ナチュラル・クレープ+合成クレープ(ハイブリッド)
3)合成クレープ
と、三つの選択肢があります。
1)と2)はアウトソールのみの交換に使用出来ますが、3)はミッドソールか
らでしかお受けできません。
革+合成ミッドソールの下に合成クレープを取り付ける形となります。
クラークスは靴の中底=ミッドソールなので、合成クレープ仕様にすると、
若干履き心地は硬くなりますが、その分耐久性と、対経年劣化に優れたものになります。
メイドイン・イングランド
純英国製のデザート
今回の修理は合成クレープソールでのソール交換です。
アウトソールのクレープを取り除いた後、古いミッドソールも外します。
新しいミッドは3.5mmのショルダー革。
ポイントごとに新しい縫い線のアタリ(印)をつけて元の縫い目を再現します。
靴の中底=ミッドソールの意味がわかる画像ですね。
内側からまっさらになります。
最終的にこの中底の上にインソールが乗ります。
組み込んだソールに縫い線を元通りに目打ちします。
これが狂うと・・・とんでもないことに!(笑)
なので完全に元の縫い目に合わせていくには手縫いしかないんです。
この後、ハンドステッチにいきます。
革+合成ミッドを縫い上げます。
縫いあがり+出来上がり
合成クレープの場合はコバの雰囲気もシャープになり、ナチュラル・クレープ
よりも硬いムードになりますが、今後の修理も平易、安価になりますし、
なにより丈夫ですのでガンガン履いていただいても気を使わずに済むのが良い点です。
ソール交換の際にはこのような選択肢もありますので、交換をお考えの方は御一考を。
ハイブリッドでのオールソールもまた良しです
ちなみに前にもお伝えしましたが(https://www.hiirokan.com/2164.html)
ハイブリッドはこの合成クレープをヒールの磨耗部分に組み込んだ形です。
修理中のクラークス二点。
上のワラビーはマッケイ縫いが施されていますが、
なんとチェーン・ステッチになっています。
下はクラークス・オリジナルですが、珍しいレッド・ブラウンのモデル。
いずれも今買おうとしても手に入らないレア・モデルですね。
靴を修理させて頂くと、持ち主様が大切にされているのがヒシヒシと伝わってきます。
いずれもハイブリッド仕様でソール交換が出来上がり。
レッド・ブラウンはトリッカーズのマロンを浅くしたような色ですね。
それぞれコバ色などを自由に設定できるところがナチュラル・クレープの
いいところでもあります。
ブロンズ・ブラウンやカラメルなど、組み込む合成クレープの色も
コバに合わせてチョイスできます。
ナチュラルも合成もどちらも比較しあえばメリットやデメリットがありますので、
迷ったらご相談ください~。
では本日は以上。
クラークスの合成クレープ・ソール交換についてでした!