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9.112014
履き心地がよく愛用している婦人靴のオールソール交換修理
西野です。
本日はレディース靴のオールソール交換についてのお話。
婦人靴は季節もの中心に、シーズン シーズンで、
あまり何年にもわたって履き続けるものではない(?)
という印象がありますが、定番物は、実は流行を超え
て長く履いていきたいものも多くあります。
本日はこの長く履いていきたい靴たちのお修理をご紹介。
メフィストですね。
フランス製コンフォートシューズの代表格。
これはソールの内面が加水分解してしまっています。
すごく履き心地の良い靴ですから、
このままにしておくのはもったいないですね。
まずミッドソール(革の中底)を靴に縫いつけます。
その際ソールまわりに360°ゴムのイミテーション・ウェルトを使います。
ソールの上の黒い部分がそれです。
こうすることでソールの「フチ」を形作るわけです。
このウェルトは水の浸入を防ぐ意味もあります。
その後、ミッドヒールを付けます。
ヒールの高さがこれで設定できました。
なるべく軽いソールを・・・というご注文でした。
アウトソールにビルケンシュトックの10mmソールを使って仕上がり。
イタリア製のパンプスで最も定番色の強いもの。
足元のオシャレフェラガモから・・・という方は多いのではないでしょうか?
加水分解でソール劣化してますので、思い切ってオールソールです。
ただし3mm程度しか厚みのない革ソールでは心もとないので、
1mm厚のハーフソールを追加する形で強さと実用性をキープします。
これらを組み合わせて底を作ります。
圧着前の画像です。
レザーソールを靴本体に取り付け、ヒールも元に戻します。
このあとハーフソールとヒールリフトを取り付けます。
仕上がりこんな感じ。
ソールの返りが悪化しないよう、極薄のハーフソールを使います。
なんだかわかりにくい画像になりましたが、
銀座kanematu のゴールドパンプス。
なんにでも合いそうな重宝するタイプの靴ですね。
左側に見える穴の開いたソールが靴本体に元々ついていたもので、
加水分解したことで、取替えになりました。
新しくソールを縫い上げてヒールの土台がついているのが右側です。
これにハーフソールとヒールリフトをつけていきます。
仕上がりヒールのウェーブカットに合わせてハーフソールも曲線を描くよう、
違和感なく仕上げてあります。
元々はウレタンとレザーを組み合わせたソールですが、
こういうソールは加水分解に弱いので、レザーを縫って、
その上にハーフソールをつけることで強度を上げてあります。
これで滑りにくく使いやすいソールになったと思います。