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クラークス&ダックフィートのタイプ別ソール交換(前編)

クラークスとダックフィートのタイプ別ソール交換

こんにちは!緋色舘の西野です。
本日はクラークスとダックフィートのソール交換修理をご紹介します。
今までこれらの修理はさんざん紹介してまいりましたが
よかったらこのブログの過去ログも見てみてください

昨年末ぐらいから一時的に天然クレープの材料が入荷しづらくなり、
一時的にクレープソールの修理は中止しておりました。

多忙であったこともあり、
安定的に一定品質のクレープがちゃんと入荷するようになるまで、
ブログでも修理受付再開の告知はできませんでした。

クラークスをはじめ特にダックフィートなどは、
なかなか天然クレープでのソール交換修理ができる所が少ない
のでご迷惑をおかけしたと思います。

〇パターン別修理のラインナップ紹介

RUIのファッション解説さん より引用

デザートブーツ

クラークスの顔といってもいいデザートブーツ。
もう一つの人気モデルのデザートトレックもそうですが、ステッチダウン製法で作られています。

このステッチダウン製法+天然クレープソールの組み合わせが実はデザートブーツの履き心地を決めているのです。なのでココ(製法と素材)を変更するとこの靴は別のものへとカスタム
することになるのです。

天然クレープソールにはハニー色の本クレープと合成素材が混合しているホワイトクレープがあります。ハニーは柔らかく耐圧縮(摩耗)の意味で合成クレープをヒールに組み込んだハイブリッド仕上げとなっています。一方ホワイトクレープにはハイブリッド仕上げは必要ありません。

デザートブーツのミッドソールです。
これは靴の中底として成型する直前のものになります。
元々のクラークスの中底は「疑革」という素材が使用されていますが、当店で使用するのはショルダー革のしっかりとしたものです。
これをハンマーなどでお客様の足に合うよう立体成型して使います。
ショルダー革3mm厚+天然クレープ3mm(場合により~6mm)
カスタムの場合は3mm合成ゴムミッド
これを本体にハンドステッチで縫い付けます。

〇カスタム仕様についてのソール解説
上記4パターンがvibramソールを使用した場合の代表的な例

  • #100ソール 
    ごつごつとしたラグソールでUSA maid アウトドア的な雰囲気を出したい場合に。 黒とハニーがある。
  • #2810ソール(通称ボローニャ)かっちりとしたヒールがあり、ユニットソールとしてはデザートブーツに合わせやすい。特にイングランド製のデザートブーツのフォルムに良い。黒と茶がある。
  • #2656ソール(通称ケープタウン)#2810同様に元素材はgumliteで、シャープな成型がしてあり、耐久性も抜群の高級ソール。黒のみ。
  • #2668ソール(通称ハイデルベルグ)流線形を描いたウエッジ型のソール。歩きやすい設計になっていて、こちらもgumliteを使用している。黒、茶、ゾーゲの3色。

クラークスとダックフィートのタイプ別ソール交換
#100ソールの場合はアウトソールに貫通ステッチも組み込みます

ワラビー

ハンドステッチでの底付けをするデザートブーツに対して、より柔らかなフィット感のあるワラビーは「360度マッケイ縫い(機械縫い)」という方法で成型します。

クラークスとダックフィートのタイプ別ソール交換

上の画像はミッドソールを底付けしたばかりのワラビー
この下にミッドヒールとアウトソールが付きます。
vibramなどの合成ソールが付く場合も通常同じ厚みの合成クレープを使用します。
ワラビーの場合はデザートブーツのような革ミッドを作らないの
は、オリジナルどおりに底材のフィットを考えてのこととなります。


柔らかな履き心地のワラビーは天然クレープでのソール交換がやはり人気です。
ミッドソール+ミッドヒール+アウトソール+ハイブリッドヒールと
一層一層、丁寧に仕上げて行きます。
こうすることでオリジナルの履き心地+ソールの耐久性を実現しています。

パドモアやラガーなどのタイプもワラビーと同じような構造でソール交換ができます。
なぜか緋色舘に来る物はレアなタイプも多いですね。

最後にvibram#9105ソールを使用したカスタム交換です。

Vi-liteという軽くて耐久性もある素材で、ソールの屈曲面にカット線が入っていますので、
歩行時にソールの返りがよく、ワラビーのカスタムには違和感なく使えます。

ソールのカスタムについてはここで挙げられているもの以外にもございますので、お問い合わせください。

それではこのあと『クラークス&ダックフィートのタイプ別ソール交換(後編)』に続きます。



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