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7.22014
靴にお手入れが必要なわけとは・・・?プロのお手入れ方法実践編
西野です。
7月に入って梅雨明けも間近ですね。
しとしと雨が降り続いて、その後ドカンと激しい雷雨の末に、
ついに夏の到来!って感じが子供の頃の梅雨の感覚ですが、
昨今ではそんなイメージも薄れましたね。
プロが教える靴のお手入れ実践編
さて、本日は昨日の続き、靴のお手入れについての実践編です。
洗い上げた靴をお手入れをしていきます。
ここからの工程が靴のお手入れの基本になります。
靴に必要な栄養分を与える
デリケートクリームを使い、靴に栄養を与える。
まずはデリケートクリームという靴クリームを靴に塗っていきます。
ここで使っているのは「サフィール」というブランドのクリームです。
いわゆる「保革」を行います。
保革の基本は革の含有水分や、油分を一定に整えることで、
変に乾燥したりしっけたりするのを防いでやることでもあります。
デリケート・クリームを積極的にお手入れに使っていくことで
「保革」は達成されたも同然。
これ一本でイージーケアできるという優れモノです。
靴の色に合ったカラークリームを使う
デリケートクリームを塗りこむと、革の表面がムラになったみたいに
見えますが、5~6分乾燥させることでもとに戻ります。
その後軽く乾いた布で乾拭きします。
収納前のお手入れなら、ここで終わらせて陰干しした後に箱に入れます。
ほおって置くとパサつきがちになる革の表面は、所謂肌荒れのような
状態になると角質化してきて汚れが乗りやすい。
靴の色合いがくすんで見えたらこの「保革」が出来ていないということなんです。
靴のお手入れの基本は昨日も書きましたが、常態維持です。
革の良い状態をキープするということですね。
デリケートクリームでのケアが終わったら、靴の色に合わせたカラークリームを
使います。所謂靴墨です。今回は乳化性クリームを使います。
お化粧に例えるなら、デリケートクリームは基礎化粧品、
カラークリームはファンデーションというところでしょうか。
革の補色とキズを目立たなくする意味と、ロウ(wax)成分を乗せることで
紫外線や余分な湿気などから靴をプロテクトする意味があります。
WAX ON,WAX OFF
ブラッシングします。
乗せたクリームを革になじませて、余分なクリームを払い落とします。
白布を使ってさらに余分なクリームを落とします。
これが「磨く」という工程ですね。
ヨーロッパではこの靴のお手入れにWAX ON/WAX OFFという言葉を使います。
乗せたクリームをきっちりふき取ることで革の持っている通気性、
吸湿性を阻害せずにお手入れを行なうことが大切なんですね。
これが革の特性を100%生かすための工程です。
ウエスが靴の表面をなめらかに滑るような感じになると出来上がり。
自然なツヤ感が出ました。
ここまでが基本の靴のお手入れです。
さらに
「この季節だから雨に強くしたい」
「ピカピカに磨きたい」
というのはここからさらに油性のWAXとか
防水スプレーなどで手を加えていきます。
しかしそれも全てがこの「基本のお手入れ」を
行なってからの追加なんです。
お手入れの基本は「保革」=革の良い状態を保つこと
難しいことはさておき・・・
まずはそれだけをちょっと頭の片隅におぼえて
おいてください。後はその応用でしかないんです。